2022.06.13
【キャリアアップコラムVol.9】「キャリアの一貫性」の必要性を考える
経済・社会環境が急激に変化し続け、予測のつかない不透明な時代となり、
一度限りの職業人生を、他人まかせ、組織まかせにして、大過なく過ごせる状況ではなくなってきました。
つまり、自分の職業人生を、どう構想し実行していくか、
また、現在の変化にどう対応すべきか、自ら答えを出さなければならない状況となってきています。
先日、サラリーマン時代の部下から「そろそろ熊本に帰ろうと考えている」という相談を受けました。
彼は「42歳、転職回数10回」。一般的な転職活動では中々決まりにくいでしょう。
ただ、これまで一貫して、キャリア支援や組織活性、コーチングのスキルを磨いてきたと言います。
東京であれば、これまでの人脈もあり転職先はあるそうですが、熊本では見つからないと...。
また、外資系企業のHRマネージャーと話をする機会がありました。
「なぜ日本人はキャリアの一貫性がない人が多いのか?」
「大学で学んだことを活かすような就職をしないのか?」
外国人の価値観からすると、不思議で仕方がないそうです。
ここで出てきたのが「キャリアの一貫性」の必要性です。
「キャリアの一貫性」という言葉自体は、転職活動や採用場面でよく使われる言葉です。
「優秀な人かもしれませんが、キャリアに一貫性がないので...」と不合格の理由として多く登場します。
「キャリアの一貫性」とは何なのでしょう...
同じ業界や職務を経験していることがキャリアの一貫性だと思われていますが、
(外国人からすると、高校や大学を選ぶところからスタートしているのだと...)
私は「自分のブレない方針や考え」により形成されているキャリアであれば一貫性があるのでは...とも考えています。
置かれている状況や立場により、仕事内容やキャリア観、仕事から何を得たいのか?
仕事にどのくらい比重を置くのか?も変わると思っています。
その瞬間では、その人にとって最善の選択をしてきたはずですが、
周囲から見ると「皆が歩みそうなルート」ではない時に
「一貫性がない」という評価になっているのではないかと思います。
では何故、採用時に一貫したキャリアが良いとされているのでしょうか?
人事担当者は「必要な人材を採用計画通りに採用する」ことがミッションです。
同じ業界でひとつの職種を継続している人材は、スキルや経歴から即戦力であることがうかがえ、
同じ職種で継続して働いているということは、環境適応能力が高いと判断できます。
また、定着性という意味でも安心感があります。
一方、業界や職種がバラバラな人材は、転職回数が目立つ...、スキル面に不安を覚えてしまう...、
など採用にためらいが生じてしまいます。
つまり一貫したキャリアの人材のほうがリスクは少ないため、採用担当者としては安心できるのです。
そう、安心できるのです。
別の話をすると、「キャリアの一貫性」と個人の想いは異なり、悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
本人の想いやチャレンジしたいことと異なった時に、キャリアチェンジするのは一筋縄では行きません。
むしろ、同じ職種や経験が長く、キャリアが一貫していればいるほど、キャリアチェンジするのは難しくなってしまう現状もあります。
それは、採用側からするとリスクだからです。
やりたい!という気持ちは歓迎するが、出来るのか?となります。
変化の激しい時代です。
毎年のような新しいポジションや仕事が生まれ続け、企業の求める人材も多様なバックグラウンドに変わりつつあります。
もちろん、一貫したキャリア形成には何ら異論はありません。専門性という武器も備わっているわけです。
むしろ問題なのは、「キャリアの一貫性」という心地よい価値基準を中々手放せない企業が多いことです。
私自身も会社経営を行っていますが、
採用時に求めることは「必要なポジションで、求めているパフォーマンスを発揮してもらえるか?」であり、キャリアの一貫性ではありません。
事実、弊社のエースは、工学部出身で1社目はパンの商品開発、2社目は広告営業で、人材系の経験は一切ありませんでした。
弊社でも、「キャリアの一貫性」に捉われず、積極的に採用活動を進め、熊本の企業の羅針盤になれるよう企業との対話も進めていきます。
熊本でUIターン転職を検討されている方は相談会を実施しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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