2021.12.02
【キャリアアップコラムVol.4】転職力を高めるPDCA
日々の面談を通して、転職活動を「希望する会社へ入社するための活動」と考える方がとても多いと感じます。
「どんな会社があるのか?」「自分に合った仕事があるのか?」・・・教えて欲しいとおっしゃる方のほとんどが、入社することだけを考えている方です。また、求めている情報は「職務経歴書の書き方」や「面接攻略方」などの転職ノウハウです。
「転職力」という言葉があります。
私は、自身が描く理想のキャリアに進むために身についている、知識や経験・資格・スキル・実績だと考えています。しかし、知識やスキルは日々の研鑽を通じて向上させていくものであり、転職活動中に一気にレベルを上げることはできません。それ故に、それだけを頼りに転職しようとすると、現状の知識やスキルレベルに見合った転職先を探すことしかできません。
転職力にはもう一つの側面があると考えています。
それは、相手(面接官)に対して期待感を抱かせる力です。
面接に失敗する方に、専門用語を並べ立て、これまでの経験をひけらかす方がいらっしゃいます。確かに、面接の場面では自身を売り込まなければなりませんが、欠けているのです「他者からどう見られているのか?」という視点が...。
例えば、「これまで3社で、営業・総務・購買など様々な経験を積んだ」という自負が、「専門性に欠け、転職リスクもある」と判断されることがあります。この自己認識と他者からの評価の違いに気付き、ズレをチューニングする作業が必要なのです。内面の自己認識と外面からみられる自己認識の双方を理解度が高い方が、書類選考通過率も高く、転職後の満足度が高い傾向にあるのも事実です。
そのためには、転職を「希望の会社に入社する」という1時点の事ではなく、今後のキャリアを考えたり、なりたい自分をイメージしたり、自分の強み・弱みを把握したり、仕事を探すプロセスすべてであり、転職後の活躍やそれにより得られた豊かな人生をもって、転職が成功だったと言えるのではないでしょうか。
つまり、転職活動のPDCAを回す事が、「転職力」の向上につながるのです。
ここで言うPDCAとは①転職の「軸」の設定②現状把握③キャリアの棚卸によりでてきた自らが考える強みを、他者視点で見直し、相手に伝えわるやすい言葉を選び相手に伝える事が転職のプロセスであり、自己認識を変化させ高めていく事に繋がります。転職プロセスの中で、考え方・ふるまい・マインドセットを繰り返し、自分をどれだけ深く・正しく認識できるかが重要になります。
転職活動には、「これまでの人生の振り返り」と「これからの生き方を決める」というプロセスがあります。転職とは不可逆で重大な決断を伴う人生の「プロセス」であり、会社を選ぶイベントではありません。そのため重要なのが「軸」の存在です。
転職活動を始めると「求人の少なさ」「情報収集が困難」「選考がうまくすすまない」「市場価値の低さ」といった、想定していなかった厳しい現実に直面します。そのためテクニックを求めがちですが、重要なのはどういう人生を送りたいか?という「軸」を決め、目指すゴールに向けてPDCAを回し続ける事なのです。