株式会社同仁化学研究所
工藤隆文さん(仮名・製造) 29歳
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大手企業から地方企業へ。専門性を活かしたキャリア構築とプライベートを両立。
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前職では大手化学メーカーで研究開発やマーケティングを担当していた工藤さん。結婚を機に二人の地元でもある熊本へのUターン転職を決断する。
化学分野でモノづくりに携わりたいという想いと、地元で家族と安心して暮らせる生活基盤。この二つを両立させるために選んだのは、化学メーカーの株式会社同仁化学研究所だった。
転職活動では、自らの価値観に合致する「地元」「化学分野におけるモノづくり」という軸をもとに情報収集を開始。大手転職サイトでは条件に合う求人が見つからなかったものの、熊本に特化した転職相談会へ参加したことで道が拓けたという。
「仕事も家庭も、自分らしく大切にしたい」――そんな想いを実現した転職活動と現在の仕事・生活について伺った。
※本記事の内容は、2026年3月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで139日間
転職前
- 業種
- 化学・素材メーカー
- 職種
- 研究開発・マーケティング
- 業務内容
- 高分子材料を用いた新製品開発、評価技術構築、事業開発、マーケティングなど
転職後
- 業種
- 化学メーカー
- 職種
- 製造
- 業務内容
- 研究用試薬の製造
家族と自分の将来を見据えた選択。熊本で叶えた新しいキャリア。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
現在は、試薬メーカーの製造部門である技術部に所属し、製造業務を担当しています。主に中スケールの製品を扱っており、製造手順(レシピ)に基づいて、生産計画を立てながら製造を進めています。
複数製品を並行して製造することもあり、設備の使用状況や各製品の製造時間などを考慮して、柔軟に対応する必要があります。会社が取り扱う製品は600品目以上で、日々新しい製品の製造に取り組みながら知識の習得にも努めています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学院では化学の高分子分野を専攻し、ケイ素系高分子の重合および高分子構造と熱特性の相関解明をテーマに研究を行いました。
卒業後は化学メーカーに入社し、最初の4年間は高分子・複合材料の研究所で新製品の開発や評価技術の構築、特許出願業務に従事しました。
その後は事業担当として、複合材料製品に関する事業開発、マーケティング、研究・製造部門や社外パートナーとの連携、顧客対応などを行っていました。
学生時代の研究(高分子)と入社後の開発業務(音響・振動制御材料)は分野が異なっており、当初はその違いに戸惑うこともありました。
転職のきっかけは?
結婚というライフイベントが転職を意識した大きなきっかけでした。私も妻も熊本出身なので、家族の将来像を考えると、お互いに慣れ親しんだ熊本、もしくは九州に生活基盤を置きたいという想いがありました。
転職活動はどのように進めましたか?
大手転職サイトなどを通して求人票を見ていたのですが、地方への転職ということもあり、なかなか希望に合致する案件はなく、本気で転職活動を進めようという気持ちに至りませんでした。
そこで、地元に特化した転職支援サービスを探したところ、リージョナルキャリア熊本の転職相談会を知り、参加しました。コンサルタントとの対話を通して、自分が大切にしたい軸を再認識できたことで、活動の方向性も定まりました。
その後、現職の求人を紹介され、「地元である熊本で働ける」「化学分野におけるモノづくり」という点に魅力を感じて、本格的に転職活動を進めることにしました。
今の会社に決めたポイントは?
熊本には半導体、機械、自動車などさまざまな製造業がありますが、私はこれまでの経験や専門性を活かせる「化学分野」にこだわっていました。
学生時代に合成を学んでいたこともあり、同仁化学研究所は非常に興味を持てる企業でした。加えて工場見学時の印象も良く、専門性を重視しながらも常に新しいことを学べる環境が整っている点に惹かれ、自分の成長が期待できる職場だと感じたことが最終的な決め手になりました。
地方で感じられる心のゆとりと私生活の充実。
転職していかがですか?
前職も化学分野でしたが、扱う製品や工程は大きく異なります。それでも、これまでの知識や経験を活かせる場面もあり、仕事へのモチベーションにもつながっています。
製造現場は日々変化していて大変なことも多いですが、それ以上にモノづくりに携わる楽しさや新しく学ぶことも多く、充実感があります。
基本的には製造手順書に沿って作業を進めますが、手順通りに進めても思い通りにいかないこともあります。そのため、反応の状態や外部環境を観察しながら自分で考えて判断する場面が多く、そこにモノづくりの面白さを感じています。
また、製造に費やした時間や収率は製品のコストに直結するので、研究開発とはまた違った視点でモノづくりに取り組むことができ、日々作業の効率化や生成物のロス対策を考えながら製造に努めています。
転職して良かったと思うことは?
一番良かったと感じるのは、自分が決めていた転職の軸である「地元での生活」と「化学のモノづくり」という二つの希望を実現できたことです。特に生活面では通勤のストレスが大きく軽減されました。
前職では満員電車での通勤が日常的で大きな負担でしたが、現在は車通勤なので、渋滞はあってもリラックスできる空間で自分のペースで移動でき、気持ちにゆとりが生まれました。
通勤時間は前職の時とあまり変わらないものの、精神的な負担が軽くなったことで、日々の生活全体が快適になりました。仕事だけでなく、生活全般において心の余裕を持てるようになった点が、転職して本当に良かったと感じる理由のひとつです。
困っていることや課題はありますか?
転職して半年が経ちますが、前職との専門性の違いによるギャップは感じています。前職では高分子材料の研究開発に携わっていたのに対し、現職では有機合成を中心とした製造業務で、扱う反応やスケール、精製技術などの知識や経験が不足していると感じる場面が多々あります。
ただ、社内には経験豊富な先輩方が多く、分からないことがあればすぐに相談できます。過去の事例やマニュアルも参考にしながら自分なりに学ぶ姿勢を大切にしています。
また、現在は月に一度のメンター面談で業務や生活面の悩みを相談できる機会があるのも心強いです。今後も自ら学ぶ姿勢を持ち続け、新たな知識や技術を着実に身につけ、より深く製造現場に貢献していきたいと考えています。
生活面の変化はありましたか?
製造のスケジュールを自ら計画してコントロールできることもあり、基本的に定時で帰宅できるので家族との時間をしっかり確保できるようになりました。
夕食を家族と一緒に囲んだり、趣味の料理や運動を楽しんだりと、平日の過ごし方が大きく変わりました。週末には妻と一緒に作り置きのおかずを作ったり、実家の庭の手入れを手伝ったりと、家族との触れ合いの時間が増えたことで心身ともに豊かさを実感しています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職活動を始めるにあたり、まず大切なのは「自分の軸を明確にすること」だと思います。活動中は、軸をぶらさずに判断することで、選択肢を整理しやすくなりました。
また、時間的な余裕を持って準備を進められたのも良かった点の一つです。転職したい時期から逆算して早めに動き出したことで、自分の考えをじっくりと整理する時間があり、書類の準備や面接対策も落ち着いて取り組めました。
そして、私が参加したリージョナルキャリア熊本の転職相談会のように、専門家に相談できる場を活用するのもおすすめです。
自分だけでは見つけられなかった地元企業の情報や具体的な転職事例を知ることで視野が広がり、理想のUターン転職を実現する大きな後押しになりました。