株式会社永井製作所
前田信吾さん(仮名・生産管理) 36歳
退路を断って臨んだ熊本へのUターン。業務経験を活かせる異業種への転職も実現。
妻と3人の子どもとともに北九州で暮らしていた前田さんは、子どもが大きくなるにつれて地元である熊本へのUターンを本格的に考え始めるようになったという。
出張や残業が多い仕事で転職活動に十分な時間を取れるのか不安もあったが、それ以上に「熊本へ帰りたい」という気持ちが強く、妻と子どもを先に熊本へ転居させることで退路を断って転職活動を開始した。
「36歳という年齢と限られた業界経験で、新たな環境へチャレンジできるのか」-そんな懸念を抱えながらも、リージョナルキャリア熊本のサポートのもとでそれを払しょくし、熊本へのUターンを実現させた前田さんの転職ストーリーを紹介する。
※本記事の内容は、2024年6月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで117日間
転職前
- 業種
- 金属加工メーカー
- 職種
- 品質管理
- 業務内容
- 製品検査、外注管理
転職後
- 業種
- 金属製品メーカー
- 職種
- 生産管理
- 業務内容
- 製作の段取り、工程管理
熊本へのUターンを本気で考え、行動に移す。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
工場や高層ビル、商業施設で使用する鉄骨の柱や梁などの生産管理を担当しています。材料・部品の準備、工程の管理など鉄骨の製造が円滑に進むための段取りや調整業務がメインとなります。
また、入社してからこれまでは上司のもとで案件に携わってきましたが、4月から始まった案件では主担当を任されています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学から熊本県外へ出て大学院を修了後、前職に入社しました。前職では、約12年プラント設備関連の品質管理や生産管理、施工管理などを手掛けていました。
当時は北九州で妻と子ども3人で暮らしていましたが、出張も多く妻に負担をかけていました。また、いつかは地元の熊本に帰りたいという想いが心の中にありました。
転職のきっかけは?
35歳という年齢を過ぎ、一番下の子どもが小学校へ入るタイミングに近づいていたことが一つのきっかけでもありました。
「熊本に帰るのであれば、年齢的にも早い方がいいのではないか」と焦る気持ちもあったため、会社へは退職の意向を先に伝えて家族を熊本に帰し、後に引けない状態で転職活動を始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
転職活動自体は、水面下ではありますが2~3年前から行っていました。まず転職サイトに登録して、どのような求人が熊本にあるのかを定期的にチェックしていました。
どの人材紹介会社が一番良いのかをインターネットでいろいろと調べていた中で、熊本に拠点があり地場の求人情報を多く持っていそうなリージョナルキャリア熊本に出会いました。
今の会社に決めたポイントは?
1級建築施工管理技士の資格を持っていたので、建築・住宅業界の施工管理職の求人が一番転職しやすかったのですが、製造業に魅力を感じて仕事を探していました。
永井製作所は資格を活かしながら工場内の生産管理業務に携われること、また、業界の中ではトップクラスの生産量・品質を誇り、実家から近かったというのも決めたポイントです。
新たな環境に飛び込むことで、熊本で理想の仕事と暮らしを実現。
転職していかがですか?
環境が大きく変わって新鮮な気持ちで取り組めていますし、新しいことを学ぶのが楽しいですね。
一方で難しさも感じています。例えば、前職でも溶接に携わっていましたが、プラントと鉄骨で溶接方法や品質管理の考え方が違います。日々勉強です。
また、建設工事は多くの業者が関係しているため、設計・品質・現場・製造などさまざまな部門とタイムリーに連携しながら取り組む必要があり、調整力も求められます。
転職して良かったと思うことは?
以前から素材関連に興味があって金属に携わりたいという気持ちが強く、その中で生産管理業務に就けたため、熊本で理想の仕事ができている点です。
誰もが知っている建物の建築に携わっているという点に関しても、やりがいを感じます。前職はボイラーなどの設備に携わっていたため、なかなか子どもに見せることができず、説明も難しいと感じていました。
私生活では、実家をリフォームして両親と一緒に住んでいますが、「孫の成長が側で見れる」と喜んでくれています。来年度からは妻も働き始める予定で、実家で両親のサポートを受けられるのはありがたいですね。
困っていることや課題はありますか?
私がどちらかというと人見知りなので、なかなか一歩踏み込んで聞けないというところはあります(笑)。4月から担当を持ち始めて社内での交流が増えているので、より良い関係性を築いていきたいと考えています。
生活面の変化はありましたか?
家族との時間がかなり増えました。今は残業も少なく、前職では多かった出張もほとんどなくなったため、休日は博物館や動植物園へ行ったり、誕生日を家族で祝ったりできるようになりました。
一緒にいる時間が長いからか、末っ子は一番懐いてくれています。子どもたちの成長を近くで見られるのは嬉しいですね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
いつかは熊本へ帰りたいと思うのであれば、まずは動いてみることをお勧めします。本気で転職と向き合った結果、私は熊本へのUターンが実現できました。
また、自分を見つめ直すいい機会なので、「何のために働くのか、自分はどういう人間なのか」などしっかり考え振り返ると転職の軸も明確になり、面接対策にもつながると思います。