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社員を幸せにするために、積極投資で成長を続ける。

株式会社シアーズホーム
代表取締役 丸本 文紀

更新日:2020年2月26日

中央大学商学部卒業。78年ニコニコ堂入社、89年シアーズコーポレーション設立、93年住宅建設への進出を機に「シアーズホーム」に社名変更。2002年10月共同出資で㈱県民百貨店を設立し、くまもと阪神社長に就任。3期6年務め退任。現在は㈱まちづくり熊本、熊本城桜の馬場リテール㈱の社長も兼務。
※所属・役職等は取材時点のものです。

「賢明なる成長」を続ける九州の地元資本トップクラスの住宅メーカー。

当社は地場資本の住宅メーカーです。2020年4月の決算では年間着工棟数800棟、売上200億円の突破は確実となり、恐らく九州トップクラスの実績ではないかと思います。3年後に売上300億円突破を目指し準備を進めているところです。

シアーズホームグループとしての戦略の一つに、多彩な住宅ラインナップがあげられます。自由設計の注文住宅がシアーズホーム、省コストのジャストホーム、高気密・高断熱のFCブランド「桧家(ひのきや)住宅」に加え、サンタ不動産では1,000万円を切る低価格住宅にも取り組んでおり、顧客の様々なニーズに対応できる体制を整えています。

また現在エリア展開にも力を入れています。熊本地震後には復興特需もありましたが、数年で落ち着くのを見越し、17年3月には福岡に進出、19年7月には佐賀にも進出しました。熊本・福岡・佐賀の人口は約800万人。まずは、このエリアでシェアNo.1になるための戦略を考えています。

採用にも積極的で、3年前から年間で40~50名ペースで採用し、現在社員数は391名、20年の4月には新卒社員が32名入社予定です。シアーズホームグループの経営方針として「Smart Growth(賢明なる成長)」を掲げています。成長がなければ社員の所得を上げることも、雇用を増やして地域に貢献することも不可能ですから。

社員を幸せにするのが経営者の仕事。

私は、企業は絶対に成長し続けないとダメだと考えています。正しい売上・利益を上げ、財務面も強固なものとする。内部留保も必要ですが、当社では「社員への還元と積極的な投資により業績を上げ、社員を採用・育成し…」という好循環によって競合優位性が築けると考えています。社員の幸せのためにも、利益を出して成長を続けることが必要不可欠なのです。

企業の目的は、人を幸せにすることだと思っています。日頃から社員に伝えているのは「世の中の役に立つ人間になろう」という言葉です。多くの人を幸せにできる人が幸せになる。自分さえ良ければという人は決して良い人生を歩むことができません。 良い種・幸せの種をまくことで、幸せの種は回りまわって自分のところに返ってくると思うのです。

また、お客様を幸せにするためには、社員が幸せでなければならないと考えています。だから社員満足度No.1を目指し「所得」「休日休暇」「やりがい」「適正・公正な評価」の整備に力を入れています。例えば、所得の面では、社員一人当たりの給与は昨年と比較して平均6%、ボーナスは平均7%UPしています。会社が成長しているので、新しいポストを用意することができます。昇格、昇任により給与もUPできるのです。

また、住宅会社の営業というと、売った分だけ給与に反映されるインセンティブの割合が大きい会社もありますが、当社の営業は基本給だけで十分生活ができるように設定しています。経験やスキルと共に職能給も上がりますし、販売実績はボーナスに反映しています。お客様に本当に喜んでもらえるようなご契約をいただくためには、会社が社員の生活を保障する義務があると考えています。

また、働き方改革を推進中で、労働時間の短縮や有給休暇取得を推進しています。年間休日も、現行の105日から3年以内には120日まで増やす計画です。

「ここで働いて良かった」と思ってもらえると嬉しいですね。

2019年12月に新社屋が完成しました。社員が楽しく働くためには職場環境が大事になります。いつでも集まってコミュニケーションを取れるように、2階と3階の社員執務室の中央部にカフェスペース「つどいカフェ」を設置。また、社員食堂では社員の健康状態改善のために、安くて栄養価の高いものを提供するなどこだわりました。

社員が集まる機会を多く設けています。年に2回開催している経営方針発表会では業績優秀者の表彰式などを盛り込み、社員のモチベーションが上がるように心がけています。報奨金の特典付きですよ。次に計画しているのは3か年計画の発表会。これから3年どうやったら成長できるのかを社員に発表してもらいます。

また社員旅行や大忘年会など社員が喜ぶような機会をつくるようにしています。社員は私のお客さまだと思っています。だからと言って甘やかすわけではありません。どこに行っても通用する、立派なビジネスマンになるよう鍛えます。それが社員に対する恩返しだと思っていますから。

その上で、私が一番大事にしているのは理念教育です。経営理念は「私達は、お客さまの満足を通じて自らの幸福を実現します」。ミッションは「本当に良い住宅、価格以上の価値を持つ住宅を創り、オーナーさまに良い住宅に住む喜び、幸せ、満足、そして感動を提供します」と掲げています。社員には自分たちの仕事が社会貢献に繋がっているという誇りを持ってもらいたいので、経営理念とミッションの浸透は徹底的に行っています。「お客さまを幸せにすることで自分も幸せになっていこうよ」というメッセージなのです。

エリア展開を加速し、世界中に幸せの種をまく。

2020年から福岡でシアーズホームブランドの住宅販売をスタートする予定です。現在は商品力のあるFCブランド「桧家(ひのきや)住宅」の展開で、施工体制や営業体制が整いました。福岡エリアでも5~6年でシェアNo.1になりたいと考えています。

また、海外進出も視野に入れています。実際にタイでは2019年から事業をスタートさせました。驚いたことに、私が行ったタイのショッピングセンターでは、住宅フェアに人が溢れていたのです。経済成長率が高く、これからまだまだ伸びる国だと思います。海外に進出している地方資本のビルダーはあまりないのではないでしょうか。

また製造部門の内製化にも力を入れています。実際に大工見習い5名(※2020年4月新たに3名入社予定)を正社員登用し、教育しています。熊本地震を経験して職人の人手不足を痛感しました。納期までに家を完成させてお客さまに満足していただくためには、製造部門の協力業者の体制づくりと職人の内製化は欠かせない取り組みです。これからも、積極的に人材採用を行っていきます。

業績を伸ばし、雇用を増やし、社員が成長し、更に業績が伸びる…。この好循環をこれからも追求していきたいと考えています。

編集後記

チーフコンサルタント
田尻 由美子

会社の成長のために「社員の幸せ」を本気で考え、目に見える形で実現されてきた同社。社長は社員数が300名を超えた今でも、一人一人の顔と名前を覚え、声をかけることを心掛けていらっしゃいます。終始、熱く語られる社長のお姿には強く惹かれるものがあり、想いに共感した社員の方々が「お客さまの幸せ」を実現しているのだと改めて実感しました。

また「自分の利益よりも周りの幸福を考える」ということは当たり前のことかもしれませんが、ぶれずに社長自ら追求してきたことが成長し続けている大きな理由の一つだと思います。新社屋も完成し、さらに社員の満足度が上がった同社の成長を楽しみにしています。

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