株式会社くまもとDMC
宮田佳奈さん(プランナー) 30歳
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故郷の「天草」を主語に暮らしたい。心から熱量を注げるキャリアを選択。
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大学院修了後、大手総合商社での投資先事業会社の管理や人材ベンチャーでカスタマーサクセスに従事してきた宮田さん。仕事にはやりがいを感じながらも、ふと自分が心から熱量を注げる対象を見失っていることに気づく。
そんな中、上司との1on1をきっかけに「天草を主語に話す自分」が一番前向きな気持ちになれることに気づき、故郷・天草への思いから具体的に動き出す。
天草市が主催する講座「あまくさ暮らし観光スクール」での仲間との出会いもあり、熊本へのUターンを決意。2026年6月から熊本市内で新生活をスタートさせた。転職活動から現在の仕事、そして生活の変化まで、宮田さんに伺った。
※本記事の内容は、2026年10月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで110日間
転職前
- 業種
- 人材ビジネス
- 職種
- カスタマーサクセス/事業開発
- 業務内容
- クライアント企業の採用支援(求人・採用広報ページ作成など)、新規事業(RPO事業)の立ち上げ
転職後
- 業種
- 業界 観光・地域づくり(DMC)
- 職種
- プランナー
- 業務内容
- 熊本県の観光データ収集・分析、地域連携イベント運営、市町村への事業提案など
仕事にやりがいはありながら、より熱量を注げる対象を探し続けた日々。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
くまもとDMCは、「食」×「観光資産」で熊本を世界にマーケティングすることを目的とした企業であり、観光庁の登録を受けた都道府県DMO(Destination Management/Marketing Organization:観光地域づくり法人)です。
現在はプランナーとして、県全体の観光データを収集して各市町村に還元する業務や地域連携体制強化のためのイベント運営、各市町村向けのプロポーザル案件の事業提案などを行っています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学院を修了し、2021年に大手総合商社に入社。投資先事業会社の経営管理や新規事業開発に携わりました。
2023年に人材系ベンチャー企業へ転職してからは、カスタマーサクセス部門でクライアントの採用支援を担当し、直近は新規事業の立ち上げにも関わっていました。仕事自体にはやりがいを感じていましたし、恵まれた環境だったと思います。
転職のきっかけは?
自分の提案が顧客の採用に影響を与える手触り感にやりがいを感じつつも、5年、10年といった長い目で考えて「自分がしたいこと、熱源はどこか?」と模索していましたときに、ちょうど上司が変わりました。
新しい上司は、自社以外でのキャリア形成にもフラットに相談に乗ってくれ、相談しているうちに「故郷の天草を主語にして話している自分が一番ポジティブな気持ちになる」ことに気づきました。そこから、具体的に天草に関わる方法を考え始めたのです。
転職活動はどのように進めましたか?
まだ転職は視野に入れていなかった2025年10月に、天草市が主催する地域の魅力を見つめ直す講座「あまくさ暮らし観光スクール」に東京から飛び入り参加しました。「天草には素敵な人たちがいて、帰れる環境がある」と思えたのはすごく大きかったですね。
そこから天草に想いを持つ方々との出会いを重ねる中で、自然と故郷へ帰る気持ちが固まっていきました。2025年11月にリージョナルキャリア熊本へ登録し、コンサルタントとオンライン面談を実施。そこで紹介してもらったのが現職です。
Uターン移住すると決めたのは2026年1月。少し前までは天草で何かを「立ち上げたい」というアグレッシブな夢を持っていましたが、天草と関わる中で「自分が故郷を好きな気持ちを大事にして生きられるのが一番いい」と思うようになりました。
今の会社に決めたポイントは?
「熊本に帰ること」が最優先ではあったものの、私にとって、「やりたいと思える仕事があること」は、かなり重要な要素でした。今の仕事は、地域づくりに熱量を注げる仕事だったので、条件面はあまり気にしませんでした。
また面接時に自分のスキルや能力というより、人となりを信頼してもらえた感じがすごく嬉しかったです。指示される環境ではなく、新しいことを自分で生み出さないといけない環境も自分に合っていると感じました。
手探りの毎日の中で見えてきた、仕事と暮らしの実感。
転職していかがですか?
仕事のスタイルが前職とはだいぶ違うというのが率直な感想です。前職はサービスを購入したお客さんに価値をお返しするという構造がすごくシンプルで、自分がどう動けばいいか比較的わかりやすかったです。
一方で、今は関わる立場や役割がいろいろあって、「自社に求められる役割や介在価値」は単純ではないと感じます。ベンチャーのスピード感とはまったく違う、公共的な目線でじっくり物事を考える仕事のやりがいも感じ始めています。
転職して良かったと思うことは?
何より、熊本に戻れたことが嬉しいです。「あまくさ暮らし観光スクール」で出会った仲間との縁も続いていて、「今度こういうイベントやるから参加してみない?」と誘われるなど、地元のいろいろな人とつながりを持てるのが、すごく楽しいです。
想いを持って帰ってきて良かったというのも大きいです。仕事をする上で、自分がこうしたいという気持ちがあった方が楽しい局面が多いと思っているので、その熱を持ち合わせられていることが、今の自分を支えている感覚があります。
困っていることや課題はありますか?
行政や関係者との関わり方が、まだ自分の中でうまく言語化できていないのが正直なところです。プロジェクトも固定的なものではなく、委託元や連携先などいろんな立場の人が関わっていて、それぞれがどんなモチベーションで動いていて、自分たちがどう動けば価値を発揮できるのかがまだつかめていません。
また、前職では毎週1on1があって、自分の状態を定期的に振り返り共有する仕組みがあったのですが、今は業務の中で意識して状況を報告したり、困っていることを自分から早めに相談したりする必要があるので、その点は自身の課題だと感じています。
生活面の変化はありましたか?
まだまだ熊本の中にも知らない場所が多いので、週末は車でいろいろな場所へ出かけるのが楽しいですね。天草の皆さんとのまち歩きイベントにも継続して参加しています。「熊本に帰ってきて後悔した」ということは全くなく、「やっぱり熊本最高!」と周りの人には語っています。
給与は正直下がりましたが、当面の生活資金は用意できていたのでお金の面で不安になることはあまりなかったです。それよりも、知らなかった熊本や天草をどんどん発見できる今の生活のほうが、自分にとって価値があると感じています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
私の場合は、「やりたいこと」に対して、どのくらい仲間や理解者がいるかが、今回の転職の大きな後押しになりました。
Web上の情報だけでは得られない安心材料として、例えば「こういう人が頑張っているんだ」「自分と気持ちが同じそうだ」と思える人との出会いが、自分の中では重要でした。地元やゆかりのある土地に興味があるなら、Webだけでなく、実際にその土地の人に会いに行ってみるのがおすすめです。