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社員の成長こそが会社の成長。「人こそすべて」に込めた想い。

株式会社ハイコム
取締役副社長 甲斐文祥

更新日:2016年1月08日

1972年4月12日生まれ
熊本市出身。熊本高校・明治大学政治経済学部卒業後、1996年にNTT西日本入社。コンシューマー向け営業・法人営業を経験。
99年に同社入社。携帯ショップ、通信法人営業、不動産営業など現場経験を経て、06年に現職就任。
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

8年間で売上高6倍、経常利益15倍と急成長を支えたのは「人」

ハイコムグループは、不動産・通信・水の3事業を柱に、8年間で売上高6倍、経常利益15倍と急成長を遂げています。通信事業ではショップ事業と法人営業を展開、グループ売上の8割を担っています。現在、ソフトバンクショップ14店舗、auショップ8店舗の合計22店舗を運営。

ソフトバンクの県内販売シェアは38%、新規販売台数・お客さま満足度などの代理店総合力評価(運営15店舗以上の部)で、全国1位を獲得することができました。

また、auショップ光の森中央店は、2012年新規販売台数で全国一位を獲得(全国2600店舗中)するなど、熊本県内携帯販売会社において圧倒的No.1の実績を残せるようになりました。

このような販売力を支えているのは、スタッフの接客力の高さ。10年前から、新卒の定期採用や社員研修など人材育成には力を入れており、各キャリアが主催する接客コンテストで毎年全国上位入賞を果たしています。

我が社の事業はいずれも対面によるサービス業ですので、業績に与える「人」のインパクトは非常に高いと感じています。ですから、当社は採用・育成にずっと力を入れてきました。

「利益を上げても、採用や社員教育など人材へ投資し続けていかないと組織は強くならない」という考え方を経営者自身が持っていますので、これからも「人」に対しては積極的に投資をしていきたいと考えています。

グループ売上100億円へのチャレンジ!

通信事業において新規出店は飽和状態であるため、地域一番店にチャレンジしつつ、店舗拡大・エリア拡大の機会を狙っています。また、法人営業部を強化し顧客深耕を進めていきたいと考えています。

これから事業の柱に育てていきたいのが「宅配水事業」。ウォーターサーバー事業で全国展開をしているプレミアムウォーター㈱と提携し、南阿蘇で採水された「ナチュラルミネラルウォーター」を全国に宅配していきます。

同事業は新たな事業を模索していた頃、人のご縁で投資を決定しました。約5億円を投じ南阿蘇に工場を建設、2017年をめどに10億円の売上を見込んでいます。営業本格開始から約2年、業績は事業計画通りに推移しています。その立役者が、2年前に中途採用で入社したAさんです。

直販体制を整えるか判断に迷っていた時期にAさんに出会い、営業活動を始めたところ、想定を上回る反響を得ることができ、組織化に踏み切ることができました。Aさんは、メンバーの増員・教育・育成、他県の販売代理店やパートナーへ研修・教育なども担当し、今のベースを創りあげてくれました。

これにより事業展開が加速し、12月から沖縄への物流体制の構築、さらに年明けから工場拡張工事も開始、お客さまへのポイントプレゼントとして南阿蘇の米の出荷も始まるなど、宅配水を軸として地域振興にも寄与できる体制が整いました。

来春より新卒も配属採用予定となり、7名体制を敷くことになります。Aさんには部門のマネジャーとして、事業を牽引していただくことにしています。

間接部門の強化でグループのシナジーを高めていく

創業以来、「利他の心」をモットーに、チャレンジ精神を欠かさず新規事業を展開してきた会社ですので、「攻め」は優先されてきましたが「守り」は疎かだったところもあります。

不動産・通信・水の3事業には担当役員がついており、それぞれの事業を任され、各事業の最前線で戦っています。そのため、事業全体を俯瞰し、グループ価値の最大化や業務改善・将来に向けた準備など、役員が本来担うべき役割を果たせていなかったことも事実。例えば、経費削減についても毎回議論されるのですが、既存の業務で手いっぱいの状態で立ち消えになることもしばしばありました。

そこで企画部門を立上げ、課長として採用したのがBさんです。大手アパレルメーカーの店長や、大手流通で商品開発を担当していたBさんはマネジメント力に長けた人材。経営者からの要望を細かく運用レベルに落とし込み、回しながらブラッシュアップしていくことを得意としています。

今後は、新規プロジェクトの立ち上げなど、ルーティンワークにないことを拾って形にしていくという業務を担う部門もマネジメントしてもらいたいと考えています。

現在、Bさんには「1千万円のコスト削減プロジェクト」を任せています。1千万円の経費削減は売上に換算すると約2億円規模。入社して僅か半年ではありますが、十分すぎる活躍だと感じています。

これまでの攻めの経営姿勢に加え、守りの人材として通常業務から離れ、事業全体を俯瞰しマネジメントしていく人材は、規模の拡大期には不可欠だと改めて感じました。

「育てて任せる」。何人の経営者を育てられるかが事業の成否を決める。

たった1人の採用で、新規事業が加速度的に前に進んだり、1千万円の利益を生んだりと、採用が企業にもたらすインパクトは計り知れないと感じています。

今回、幹部候補の募集として目的を持って採用を行った結果、スピード感を持って能動的に行動できる、スキルの高い人材を採用することができました。

これまでの採用は新卒が中心で、中途採用は新規出店時や欠員補充など現場スタッフの採用が中心でした。今後は、バランスをとりながら人材採用に着手していきたいと考えています。

今後は、権限委譲できるような組織にしていくつもりです。従業員が増えてくると役員の目の届く範囲が限られてきます。新たな事業へのチャレンジも進まないし、現場での判断もできなくなります。そのため、経営感覚を持った人材が要所要所に必要です。

現在、新卒採用を始めて10年ちょっとで、最初の採用者が副部長というポジションになっています。そこに、他社でキャリアを積んだ、違う風を組織に入れてくれる人材をあわせて、これからの組織作りをしていきたいと考えています。現場の働きやすい環境づくりと、幹部社員のやりがいがある組織を目指していきます。

編集後記

チーフコンサルタント
桝永 健夫

弊社から紹介させていただいたお2人が活躍されていると伺い、とてもうれしく思いました。

「意見を言いやすい」「ある程度任せてくれ、受け止めてくれる」と入社後の感想を語ってくれたBさん。オフィスや店舗での撮影に、気軽に答えてくれるスタッフの皆さんとのやり取りからも、両者の間に強力な信頼関係があると感じることができました。

「人こそすべて」・・・社員が目的意識を持ち、考え、行動している。「1人1人の社員が主役」という空気が、ハイコムには流れています。

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